
モンゴル社会・経済統計(2022年11月の暫定統計)
- Source: Montsame News Agency
- 04 Jan 23
外国為替相場
ルーブル対トゥグルグ相場は1ルーブ ルは55.89トゥグルグ。ルーブル相場は前年同期比で16.63トゥグルグ、前月比で1.11トゥグルグ反発した。米ドル対トゥグルグ相場は、1米㌦は3406.43トゥグルグ。米ドル相場は前年同期比で557.49トゥグルグ、前月比で は36.54トゥグルグと反発した。 人民元対トゥグルグ相場は、1元は474.52トゥグルグ。元相場は前年同期比28.63トゥグルグ、前月比6.13トゥグルグと反発した。
インフレ率
今期インフレ率は前年同期に比べ14.5%上昇した。物価上昇は食品及び飲料項目が16.8%、酒類及びたばこ類項目は8.0%、衣類項目は19.4%、医療関係項目は21.4%それぞれ上昇したからである。交通項目は7.7%上昇した。
国家歳入及び歳出
1. 国家歳入(国際援助及び支援を含む)は14兆4163億トゥグルグ。歳出は15兆5628億トゥグルグとなった。歳入から歳出を引いた財政収支は1兆1465億トゥグルグの赤字である。22年11月の税収額は前年同期比26.3%(2兆7000億トゥグルグ)増の13兆1000億トゥグルグ。その理由は他の税収は前年同期比2.3倍の1兆1000億トゥグルグ、付加価値税は9545億トゥグルグ(37.2%)、社会 保険は35.5%増の6912億トゥグルグそれぞれ増えたことによる。
対外貿易
モンゴルは11月、世界162ヶ国・地域と貿易取引した。貿易高は前年同期に比べ26.6%、40億米㌦増のおよそ190億米㌦と なる。輸出高は前年同期比では26.2%の23億米㌦増の約111億万米㌦。輸入高は27.2%減(17億米㌦)の約79億米㌦となった。 輸出高から輸入高を差し引いた貿易支出は39億米㌦の黒 字。黒字額は前年同期比23.9%増の6億3150万米㌦増えた。輸出が前年同期に比べ大きく増えた背景には、石炭が31億米㌦、金1億1080万米㌦増加したことがある。輸出先と貿易高の比率は中国は84.2%、スイス8.3%、シンガポール3.0%の順位となった。一方、輸入の場合は、中国は35.5%、ロシアは29.8%、日本が8.0%の順位となった。
工業生産
工業生産高は前年同期比で17.2%の2兆9000億トゥグルグ増えて20兆トゥグルグとなった。製造業生産高は前年同期比4352億トゥグルグ(11.7%)、鉱業・採掘産業の生産高は20%の2兆4000億トゥグルグ増えた。11月の工業生産高は前月比2139億トゥグル グの8.7%増えて2兆7000億トゥグルグとなった。鉱業・採掘産業生産高は前年同期比20.0%増(2兆4000億トゥグルグ)の14兆4000億トゥグルグ。石炭は1兆9000万トゥグルグ、 金属鉱石は5.6%増の4556億トゥグルグ増えた。
マネー及び債務
11月のマネーサプライ(M2)は、前年同期比では0.4%増(1128億トゥグル グ)の27兆4000億トゥグルグとなった。 その要因は前年同期に比べ外貨当座預金残高は2兆トゥグルグ(85.2%増)、外貨預金残高は7231億トゥグルグ(18.1%)増えたからである。 貸付・債権残高は、前年同期比では11.9%(2兆4000億トゥグルグ相当)増え、前月比0.6%(1353億トゥグルグ相当)減って、 およそ22兆7000億トゥグルグとなった。個人債務残高は貸付・債権残高の51.8%にあたる11兆7589億トゥグルグを占める。 延滞債務残高は、前月比では8.7%の約1069億トゥグルグ、前年同期比で35.6%の約3505億トゥグルグそれぞれ増えて1兆3000億トゥグルグとなった。延滞債 務残高の対債権残高比率は5.9%である。 銀行システム不良債権残 高は、前月に比べ10.9%の2903億トゥグルグ減り、前年同期比で17.5%の3520億トゥグルグ増えて2兆4000億トゥグルグとなった。一方、貸付・債権構成に対 する不良債権残高の比率は10.4%となった。
証券市場の活発化 経済的な存在感を大きく
昨年は、証券市場が前例のない活発な年であった。一方、今年に関しては、前年程の勢いがないものの、一部の指標が強化されている。 22年の証券市場を動かした主な動力とは、間違いなく高インフレと言えよう。コロナ禍に伴った世界的なロックダウンが解除されると、インフレ急上昇が襲った。世界各国の中央銀行はインフレ上昇に対して政策金利の引き上げで対抗策を講じ た。証券市場も波乱。投資家は変動リスクを回避するため、ドルコスト平均法で財務状況に見合った優良企業の株式購入を通して将来的な利益を担保している。かつて青色とピンク色の有価証券が主に取引された30年前と違って、証券市場は今、さまざま な進歩を遂げた。パンデミック中、ネット証券はかつてないほど進歩した。一般人は携帯専用アプリで取引口座を簡単に開設したり、実際の取引に参加したりするなど、さまざまなことができるようになった。これは証券市場の規模拡大をけん引した。 また、証券市場は長年にわたり、取引所取引という1本の柱で支えられていた。店頭取引の導入は、市場規模をさらに大きくさせたと言える。これまで67社は、店頭市場を通じて54の債券を発行し、調達金6817億トゥグルグに成功した。 店頭取引はプロが参加す るため、投資商品の登録等が短時間で完結するという特徴がある。 金融関係者の話によると、共通上場は証券市場をさらに発展させる要因となる。外国の企業が「 第1上場」をすでに他の国の証券取引所で果たしており、「副次上場」をモンゴル証券取引所で実証券市場の活発化経済的な存在感を大きく施することを言う。モンゴル証券取引所(MSE)とトロント証券取引所 (TSX)が共通上場に関する取り決めを採択して以降、エルデネ・リソー ス・デヴェロップメン ト・コーポレーションは初の共通上場企業となった。 MSE「トップ20」指数は、昨年末の取引高が4 万4000ポイント強で、前年比133%増。
証券市場の活発化 経済的な存在感を大きく
世界の主要指数に比べると、5倍も高くなった。トップ20指数は過去30年において最高値に達し、市場取引も活発的になっ た。だが、今は3万4322ポイントに留まり、前年比5056ポイントも下落。モンゴル証券市場の絶 好調は2011年、対モンゴル投資の影響であったが、その10年後に再到来した。例えば、証券市場規模と国内総生産の割合は16.7%であった。今年 は、銀行システム上の有力銀行が上場する予定。 銀行上場は証券市場をもっと活性化させると期待がかかる。すでにステー ト銀行とゴロムト銀行が上場した。 証券市場の時価総額は4兆7883億トゥグルグ。 市場の流動性は2.7%。 現在の取引高は3284億トゥグルグ。その内訳は社債は32%、資産担保証券21.2%、株式45.8%、投資信託1%となる。トップ20社の内訳は工業が56.3%、鉱業19.7%、金融17.4%、貿易・サービス業4.4%、通信2.2%。金融専門家は、証券市場の急拡大を政策支援と結び付けて説明する。特に昨年、モンゴル銀行が講じた政策金利引き下げ措置。これは史上最低限まで引き下げられた。この措置は、証券市場への資金流動を誘発した。
つまり、一般人は預金金利が下がると、具体的な投資先を探った。コロナで制限された環境において、一般人の関心は預金より投資へ転換したわけだ。一方、証券市場が拡大した背景には、税制優遇もあったとの見解もある。21年に施行された租税法では、証券市場を後押しするいくつかの改正が盛り込まれた。株式配当金に対する所得税率を 10%から5%に引き下げた。社債を含む他の有価証券の場合も10%から5 %に引き下げられた。モンゴル証券取引所は 21年、売上高が55億トゥグルグ。一方、MSE主要銘柄の時価総額は5兆5000億トゥグルグ超えで、前年同期比4.5%増の2337億トゥグルグ増えた。 金融関係者は今後の動向について、積極的に投 資ファンドの設立・運用を図るべきとの見解である。つまり、投資ファ ンド設立及び運営の安定化は証券市場の発展、公平な所得分配を実現させる。年金基金もその一例であろう。年金制度の改革とその資産運用も可能となる。先進国では、大手企業は証券市場における機関投資家であり、主要プレーヤーとなる。市場におけるその存在感も大きい。関係者らは、長期的投資を重視しつつ、証券市場における個人投資家の利益を守るための断固した行政施策を講じるべきとの見方である。
社会経済評論家:ビャ ムバー・アリオンザヤ
Search
Our Navigation
Now in Ulaanbaatar
2:30 am
May 16, 2025